内向型の生き方とは!『内向型を強みにする』から学んだこと
マーティ・O.・レイニーさんの『内向型を強みにする』を読んだのでこの本から学べることを紹介していきます!
この本には内向的な性格を持つ人々の特徴や考え、そして外向型の人々との付き合い方が書かれています。
僕は以前から外向型ではないなと思っていたんですが、この本を読んで自分が内向型よりだということを確信しました(笑)。
レイニーさんによるとマイケル・ジョーダンやエイブラハム・リンカーンも内向型だったようです。
外向型が評価される社会になじめないと自信を無くしている方々におすすめの本です!
内向型の特徴
まず本書では内向型と外向型の違いについて語られているので簡単に特徴を紹介していきます。
外向型
- 外向型は外の世界と接することでエネルギーを補給する。
- あまり深く考えずに発言する。
- ソーラーパネルに似ている。太陽の光、即ち外の世界のエネルギーを必要とする。
- 外部の刺激に鈍感。多くの刺激を求めようとする。
- 多くの人と浅い関係を築くことを得意とする。
内向型
- 内向型は一人の世界にこもることでエネルギーを補給する。
- 発言する前に自分の考えをまとめる必要がある。
- 自分の言動がどのように他人に影響するかいちいち気にする。
- 充電式のバッテリーに似ている。一人の時間でバッテリーを充電しないと外へは出れない。
- 外部の刺激に敏感。刺激を抑えようとする。
- 少数の人間と密な付き合いをする。無意味なおしゃべりはストレスでしかない。
- 考えに没頭する。
自分が内向型かどうか知りたい方は本書の内向型診断を是非やってみてください!
僕はこの診断で自分の内向型気質について確信を持てました。
このように内向型と外向型では特徴がかなり違います。
内向型はその気質上自分から社交の場で目立とうとすることはあまりありません。
人付き合いの上手さや積極性が評価される現代の社会では外向型の人々のほうが有利と言ってもいいでしょう。
外向型と内向型の違いの原因
なぜこのような違う気質が存在するのでしょうか?
その原因は外からの刺激の感受性の違いによると考えられています。
この感受性の違いは脳内の血液量とドーパミン感受性に影響を受けます。
内向型は脳内の血液量が多く、ドーパミンに敏感に反応する。よって、少ない刺激から十分の快楽を得ることができる。
対して外向型は脳内の血液量が少なく、ドーパミンに鈍感である。よって、快楽を得るためには刺激を追い求め続けなければならない。
本書の著者は心理学者なのでかなり詳しく説明していますが、要点はこんな感じでしょう。
要は外向型と内向型の人間ではそもそも脳の構造が違うということです。
内向型の人間は自然に外向型にはなれないということですね。
さて、ここで私が特に面白いなと思った気質の解釈を紹介しましょう。
心理学者ユングは気質の違いをダーウィンの進化論に当てはめて説明しています。
ダーウィンはガラパゴス諸島にいるフィンチのくちばしの多様性は様々な環境に適応することを可能にするため、種の生存を大きく助けたと説明しました。
ではこのフィンチのくちばしを人間の気質に置き換えてみるとどうでしょう?
内向型:
内向型の人間はエネルギーを保存し、少数の子供を持ち、身をまもるすべを数多く備え、より長く生きる。彼らは、シンプルな生活を重んじ、親密な結びつきを形成し、計画を立て、新しい手法を生み出す。そのため、他者にも慎重であること、内省すること、行動する前に考えることを奨励する。
. 内向型を強みにする (pp.64-65). . Kindle 版.
外向型:
外向型の人間はエネルギーを消費し、より多くの子孫を残す。身 をまもるすべはあまり持たず、短命である。危険が迫ると、すばやく行動し、大きな集団のなかで折り合っていく能力を持つ。彼らは、より遠くへと出かけていき、新しい土地、食物、異なる文化を見つけようとする。そのため、広範囲にわたる探検を奨励する。
. 内向型を強みにする (p.65). . Kindle 版.
この様に気質や個性の違いは生存のための多様性と解釈できるのです。
そして、それぞれの気質に対して最も適した環境があり、その中でこそ人は効率的に行動できるのです。
この解釈は僕にとっては新しいものであり、興味深いなあと思いました。
もちろんあくまで証拠のない推論なので反論はいろいろ見つかると思いますが。
現実世界での実用例
さて、外向型と内向型の違いを理解したうえでどのように気質の違いから生まれる問題を解決できるでしょうか?
簡単に説明していきます。
カップル
筆者は外向型と内向型のカップル4パターンについて言及しています。
内向型の彼氏・彼女と外向型の彼氏・彼女の特徴は以下の通りです。
-
内向型:
-
1対1のコミュニケーションを好む。
-
あまり打ち明けない。
-
外向型:
-
エネルギーや熱狂や興奮を、近くにいるほぼだれとでも分かちあうことができる。
-
質問や外界の出来事に対する反応が速い。
4パターン全てに言えることは相手の気質を考えながらコミュニケーションを取らなければいけないということです。
親子
子育てにおいて子供の気質に合わせて快適な環境を提供することは大切です。
内向型の気質の子供には自らの世界で試行することができる静寂の空間と時間を、外向型の気質の子供にはたくさんの刺激を与えてあげましょう。
それぞれの気質の子供に合わないことを強制する事はあまり良くないのかもしれません。
職場
大体の職場では人とのコミュニケーションが大切なので内向型の人間には不利な環境と言えるのではないでしょうか。
内向型の人には対立を好まない人や集団でのディスカッションを苦手とする人がいます。しかし、会議で意見を言わない事は全く貢献していないことと一緒なのです。
内向型の方は自分の意見を通しやすい環境や条件を探すことが必要です。例えば会議ではあらかじめ自分の言いたいことをノートにまとめておくなど。
また1対1の会話のほうが得意なのであれば、上司や同僚と個人間の会話を増やし関係を築くことも一つの手ではないでしょうか。
パーティー
パーティーは内向型の僕が最も苦手とする場でもあります。
なぜ知らない人と話すことが楽しいのか全く分からない。特に同世代との初対面での会話はうわべだけの会話が多く時間の無駄としか思わないんですね(笑)。
しかし時にはパーティーに行かなければいけない状況が発生します。そんな時にはどうすればいいか?
筆者は”イソギンチャク”になれと述べています。どういうことか?
要はパーティー会場にある目立たないソファなどに座っていると同じ内向型の人間が疲れてそこに集まってくるので、内向型の会話ができるということです。
この作戦はなかなか使えるのではないでしょうか。
結論
人には内向型と外向型という二つの気質が存在します。そして、ぞれぞれの気質を持つ人々は特定の環境下に於いてのみ輝くことができるのです。
しかし、本書でも最後に筆者が述べている様に、自分は内向型だから自分の世界にこもり居心地のいい環境にとどまるということは違うと思います。
確かに自己肯定感は増すでしょう。しかし、人間は居心地の悪い場所に飛び出していかないと成長できません。新たな人と出会ったり新しい経験をしたりすることは成長に不可欠なのです。
大切なことはバランスです。
効率的に行動するためには快適な環境が必要であるが、成長するためには快適な環境から抜け出さなければならない。自分がどのくらい快適ゾーンにいるべきなのか自分で確かめてみてはいかかでしょうか?
お読みいただきありがとうございました!